現在EUからの離脱に向けて英国とEUは交渉中です。しかし、英国は自分たちの国の中でさえその方針はまとまっておらず、EU側も英国に都合のいい要求にあきれているのが現状です。現在どのような交渉が行われているのか?今回はそれについて説明していきたいと思います。
英国が離脱したらEU市民の扱いはどうなるの?
英国はシェンゲン協定に加盟はしていないものの、EU加盟国の国籍を持つものであれば域外のものと違って楽に出入りできる。また、市場の開放もしているため、国民と扱いに差はあれど受け入れに関しては厳しい条件なども課したりしていなかった。そのため、英国では多くのEUからの移民が就労しているし、逆にEU域内で英国人が就労していることもある。
しかし、今回の離脱が決まったからにはこの人々の立場を明確にしなければならない。英国は追い出すことはしないとは言っているものの、実際に就労しているEU市民は自分たちの立場がどうなってしまうのか不安で仕方がないだろう。
これに関しては英国は自分たちの国で働く以上彼らの処遇も自分たちで行いたいと考え、司法面での独立を求めています。そうしなければ独立した意味がないからです。
しかし、EU側はそれを拒否する姿勢にあります。EU市民が英国で働く以上、自分たちが彼らを守らなければならないという考えのもとです。特に労働者の権利については以前レジームで紹介したように、EUの国々で違いがあります。英国は労働者の権利<市場メカニズムにあるためそれを懸念しているという可能性もあると私は考えています。
アイルランドとの国境は?
英国の正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」です。つまり、アイルランドの一部も英国に含まれるわけです。EUに加入していたためにEU市民として扱われていたものがいきなり他の地域の移民と同じようにひとくくりにされるようではアイルランド側はたまったものではありません。
これに関しては北アイルランド地域の英国人も納得できないでしょう。だからこそ英国国内は一枚岩ではいかないのです。余りにも一つの国として独立すれば国内の4地域がばらばらになり、再びスコットランドの独立投票のようなことが起きかねない状況が考えられるのです。しかし、EUから離脱した以上はある程度は1つの国としてやっていく姿勢を示さなければ離脱側に投票した国民は納得しません。だからこそ英国は自分たちの立場を決めかねているのです。
EUに支払う違約金
イギリスが払うEUからの離脱金は日本円換算で約7兆円とも言われています。これを支払うか否かでも今大きく揉めています。
EU離脱において反対派の意見としてEUへ支払うお金を国民に使うべきであるという意見があった以上、英国側はこのお金は支払いたくないでしょう。しかし、EU側からすれば英国がいきなり離脱宣言し、挙句の果てには自分たちに都合のいいような条件を取り付けようとしてきているのですからこれくらいの負担は強いたいと考えて当然です。
ただでさえ「難民問題」や「ギリシャ問題」を抱える中で英国までこのような事をしたのですからEU側は頭を抱えたくなるというものです。特に「難民問題」は今まだ続いています。これによってEU側は更に分裂の危機に立たされているといっても過言ではないでしょう。
どんなに難民の入ってくるルートを封鎖してもまたルートを換えてやってくる難民。現在はイタリアが限界を訴えています。
もしかしたら英国の動向次第ではEUから離脱したいと言い始める国も出始めるかもしれませんね。
まとめ
英国の立場は未だ先行きが不透明です。しかし、離脱が決まってからはEUからの移民は減少し、更には物価上昇で国民は苦しい生活を強いられています。
当時離脱派に投票した国民からも生活が良くなるのであればどうなってもいいという声が上がるようになりました。しかし、1度決定した以上離脱派覆りません。離脱したことで英国人の暮らしはより良くなるのか。
英国は栄光を再び取り戻すのか。それとも破滅に向かっているのか。
現時点では誰にもわからない問題です。
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