英国でEU法廃止案第1回採決の結果が出た。結果は賛成多数で可決でした。そして次のステップに映るわけですが、本当に大丈夫なのか個人的には疑問です。その理由について今回記事にしたいと考え、急きょこの記事を書いています。休止宣言から舌の根も乾かぬうちに申し訳ありませんが、今回のみお付き合いください。
英国は本当にEUに非協力的な国だったのか
皆さんは英国についてどのような印象を抱かれているでしょうか?EUに関してはシェンゲン協定にも加盟していないし、非協力的な態度をとっていたと感じる方も多いのではないでしょうか。実際に全会一致を前提とする決定も英国の反対により採択されなかったものはいくつもあります。
英国がEUとの協調の中で唯一といっていいほど譲れない分野は労働の分野でした。
EUは働けない社会から排除された人々を包括するための政策に積極的な政策をとる方針を撮っています。その一方で英国はそのような人々を救済することよりも市場メカニズムに介入しないという考え方が根強くあり、根本的な考え方の違いがEUとの間にありました。
しかし、その一方でEUで採択された規則を迅速に国内法化させるなどの動きに関してはとても協力的でした。
出典:1997年欧州委員会年次報告書(Annual Report on Monitoring the Application of Community Law)から作成。
このように英国はオランダやデンマークほどではないものの、EUの指令を国内法化させることに対してほとんど反対することは無かったのです。上記の図からもわかるように非常に高い割合を示していると言えます。
しかし、あくまでこれは1997年までのデータであり、近年のモノではありません。そのため近年はどうであったかというのものまでは私にはわかりませんでした。
ですがこれだけの数のEU法を国内法化しておきながら、今更廃止するというのはとても難しい問題であると私は感じています。それは英国がECに加盟してからずっと続いてきた事であるからです。
もちろん、すべてを廃止するわけではないだろうことはかなりの労力と費用が掛かると見込まれ、逆に負担になるのではないかと私は考えている。現在英国は問題を抱えすぎています。そこで今回の採択によって問題が増えたように感じるのは私だけではないはずです。
一筋縄ではいかない国:英国
私たちが英国と聞いてどこを思い浮かべますか?一般的にはUKというイングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズの4ヶ国を含めたものを想像されると思います。
しかし、ときどきBritainという北アイルランドを除いた3ヶ国のことを指すこともあるのです。
また、Englandだけを指すこともありますよね?
そしてさらに私たちが彼らをイメージするときに思い浮かべるのは彼らの政府か、それとも国民か。
そういったことからも英国はとても複雑な国であると言わざるを得ません。そういった国をまとめる政府がうまくEUからの離脱のための案を上手く期間内にまとめるということは至難の業だと私は考えています。
英国というもののアイデンティティは果たしてどこにあるのでしょうか。
また、そのためにはEUから抜ける必要は本当にあったのでしょうか。
その結果があと10年以内には出ると思うと興味深いと思う反面恐ろしく感じております。
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